2015年4月2日木曜日

3・21瀬嵩の浜集会の報告


3月21日、昨年から4度目の辺野古現地集会が行われ、前回を超える3900人が結集して安倍政権への怒りの声を上げました!
 集会が行われた瀬嵩の浜は、大浦湾に面した浜です。浜からは海底掘削用の大型台船が遠くに確認できます。さらに、立入禁止区域を示すために、大浦湾を囲うように張り巡らされたフロート、近辺での海上保安庁とカヌーの攻防が一望できます。とりわけ、延々と続くオレンジ色のフロートは、政府が阻止闘争を排除するためにいかに広大な海を囲い込んでいるかをまざまざと示していて、怒りをかき立てられます。


米軍主導の「2・22弾圧」以降、安倍政権は巻き返しをかけた闘争破壊攻撃を強めてきました。自民党議員や県警が、海上や基地ゲート前での抗議行動に一斉に「過激派・違法キャンペーン」を開始。国道事務所は、ゲート前のテントに強制排除を含めた撤去の最後通告を出しました(3月11日)。他方、3月3日には中谷元防衛相が埋め立て本体工事を「夏頃にも着手したい」と明言。これを受けて沖縄防衛局は12日、半年ぶりに掘削作業を再開しました。「(仲井真前知事から)埋め立て工事許可を受けてその準備が整ったから、粛々と開始した」(菅善偉官房長官)と、県知事選や衆院選で示された沖縄の絶対反対の怒りを傲然と踏みにじったのです。
 この間、オスプレイなど様々な米軍機による落下事故が頻発し、県民を脅かしています(昨年1年で9件、今年はすでに6件)。

 緊迫した情勢下、目の前で掘削が強行されている中での集会は、地元住民を先頭に安倍政権への激しい怒りと新基地絶対阻止の決意がみなぎる集会になりました。海保への弾劾のシュプレヒコールも、集会中くり返し叩きつけられました。集会でとりわけ参加者の胸を打ったのが、沖縄の3人の学生を含めた若者発言でした。

「私たち若者も今、この生まれた時からある理不尽な構造が壊せるような、壊して新しい沖縄をつくっていけるような希望が見えてきた。この辺野古が、新基地をつくらせなかった、お金よりも大切なものを市民が選び取った場所として、世界の辺野古として発信していけるような未来を私は提案します」(今帰仁村出身、高知大1年の藤原奈穂さん)
 「70年間続いてきた沖縄県民の思いを私たちはどうやって受け継いでいけばいいのか。この苦しみからどうやって立ち直ればいいのか。…人の命を奪わない。人に命を奪われない。人の命を奪う手伝いをしない。私は絶対にこの気持ちを忘れずに、ぶれずに日々学んでいきたい」(名桜大2年の玉城愛さん)
 「普天間基地の隣でずっと過ごしていましたが、基地が当たり前になっていて、全然おかしいということに気づきませんでした。東京に大学進学のために上京して、自分が今まで暮らしていた沖縄の異様さにやっと気がつくことができました。『沖縄は二度と戦争したくない』…この真っ当な主張が通らないのは、すごくおかしいことだと思います。…世界中で『辺野古に基地はいらない』『もう基地はいらない』という声を上げ続けていきたい」(国際基督教大3年の元山仁士郎さん)
 辺野古の闘いを、「基地の島」の現実を変革する闘い、世界につながる闘いだとストレートに語り、闘う決意を述べた若者の発言に、会場からは温かい拍手と声援が送られました。集会は最後に、今後の方針として、5度目の4・28辺野古現地集会や5・17セルラースタジアム那覇での大会開催を確認し、団結ガンバローで締めくくられました。



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 辺野古新基地建設の攻防は、戦争法案をめぐる安保国会攻防と一体で、まさに安倍政権との“全面戦争”に突入しています。
 3月23日、翁長知事は県庁で臨時記者会見を開き、沖縄防衛局へ「海底ボーリング(掘削)調査の停止」を指示しました。仲井真前知事が出した「岩礁破砕許可」に関し、防衛局が投下したコンクリートブロックが許可区域外のサンゴ礁を破壊していることを受けた初の知事権限行使であり、1週間以内に指示に従わなければ許可取り消しもありうるとしています。
 これに対して菅官房長官は、「わが国は法治国家であり、この期に及んでこのような文書が提出されること自体、甚だ遺憾」と焦りと敵意をむき出しにし、中谷防衛相とともに作業を「粛々と進める」と宣言しました。さらに防衛省は24日、県の指示は「違法で無効」(菅)として、行政不服審査法に基づく不服審査請求と執行停止申し立てを農水省に提出しました。本来、行政不服申立は行政機関による「公権力の行使」から「国民の権利利益の救済を図る」(同法第1条)ための制度です。最大の公権力を行使している国が地方自治体の行政行為の無効を訴えるというのは前代未聞であり、法の名を借りた強権発動そのものです。
 そもそも安倍政権は、昨年11月の県知事選から翁長知事との面会すら拒絶し、「負担軽減(=辺野古移設)に取り組む政府の姿勢が民主主義に反するとは考えていない」(安倍の国会答弁)などと沖縄の怒りに真っ向から敵対してきました。さらに今や、「翁長知事の詫び方を見て会うかどうか決める」(3月23日、政府高官)などと作業停止を求めた知事を犯罪者扱いし、謝って這いつくばれと言わんばかりの態度です。
 もう怒りの限界です! 悲惨な沖縄戦を体験し、戦後70年「基地の島」の現実の下で苦しんできた沖縄の「もう基地はいらない!」「戦争をくり返すな!」という心からの叫びを「民主主義」や「法」の名でねじ伏せること。これが、帝国主義者どもの言う「民主主義」や「法治国家」の正体です! 沖縄・福島・三里塚が浮き彫りにする日帝の姿です。こんな国家は今すぐ打倒するしかありません!
 沖縄の怒りは完全に「オール沖縄」をのりこえるかたちで根底的に爆発し、多くの学生・労働者が闘いに立ち上がりつつあります。

 だからこそ、「いかに勝利するのか」「どこにその力があるのか」が激しい路線闘争=党派闘争になっています。翁長知事は、いわゆる「知事権限」を「駆使」し、それに従わない安倍政権との法廷闘争を辞さない構えを見せています。しかし、国家権力の一部である司法に依拠せざるをえないこと自体「知事権限」の限界です。司法に基地建設を阻止する力はありません。そもそも辺野古新基地建設阻止は「行政手続きの瑕疵」云々の問題ではありません。
 さらに根本的な問題は、翁長知事の「安保の平等負担」を掲げた「県外移設」交渉です。安倍政権の歴史的な戦争突入と安保国会を前に、そんな交渉には何の成算もないどころか、闘いを分断と敗北に導く路線です。「日米安保同盟粉砕! 沖縄米軍基地撤去!」=「基地の島から国際連帯の島へ!」こそが勝利の路線です。
 その力は、基地労働者を軸にした階級的労働運動と学生運動の復権による実力の全島ゼネストにあります。「最終的には行政の力で決着しないと新基地建設は止まらない」(沖縄平和運動センターの山城博治議長)などと国家権力への幻想や労働者・学生の無力を煽る「オール沖縄」指導部のイデオロギーをぶっ飛ばさなければなりません。何より求められているのは、辺野古新基地建設阻止闘争と安保国会粉砕決戦(国会デモ)を一つに結合し、戦争阻止-安倍政権打倒の大政治決戦として爆発させることです。

 全学連の「4・28沖縄デー闘争(国会デモ)」こそ、安倍とオバマとの戦争会談を痛打し、辺野古新基地建設と新ガイドライン、安保国会をまとめて粉砕する決戦です。それは、韓国・民主労総ゼネストとの国際連帯闘争であるとともに、4・28辺野古現地集会と連帯した本土の闘争として決定的な位置にせり上がっています。「辺野古新基地建設反対-戦争阻止」を掲げて再建した沖縄大学生自治会の真価も問われています。私たちは赤嶺委員長を先頭に仲地学長体制の学生自治会破壊=大学の戦争協力と対決してきた地平から、再建2年目の執行部選挙決戦、「4・28~5・15~6・15」の爆発への新歓決戦を全力で闘い抜く決意です。
 全国学友のみなさん、ともに闘いましょう!

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高知大1年 藤原奈穂さん(今帰仁村出身) 

 私は基地が溶け込んだ沖縄、基地が当たり前だった沖縄で育ってきました。でも今こうやってたくさんの人が集まって“オール沖縄”が実現しようとしています。全国からもたくさん応援が来ています。そういう光景を見て、私たち若者も今、この生まれた時からある理不尽な構造が壊せるような、壊して新しい沖縄をつくっていけるような希望が見えてきた気がします。
 そこで、おじい、おばあ、ナイチャーばかりに任せてられるか、私たち若者がここから何ができるかというのを、周りの人に呼びかけていきたいと思います。
 そして、この辺野古が、新基地をつくらせなかった、お金よりも大切なものを市民が選び取った場所として、世界の辺野古として発信していけるような未来を私は提案します。
 私たちのこの団結、海を守りたいという思いを引き裂いて、団結を引き裂いて新基地建設を押し進めようとする人たちは、たぶんこの現場からすごく離れたところにいます。私たちは、そんな力に負けないように、本当にウムイ(思い)をひとつにしてがんばっていきましょう。私もがんばります。

名桜大2年 玉城愛さん

 去年の11月知事選があり、12月に衆院選があり、私は初めての選挙が県知事選だったということもあり、社会参加しようと思って、親に心配されるぐらいがんばっていました。私なりに、私の仲間たちと一生懸命、「社会に基地は必要ない」「辺野古に来る基地は必要ない」と、お世話になっている名護市民の方たちとも一緒に闘ってきました。
 世論が7割、8割、反対しているのにもかかわらず、市民への暴力と圧力が加速しています。私はこの状況に戸惑ってしまいました。日本政府というのはこういうものなのかと。メディアに対して平気で堂々と沖縄県の民意を無視する発言に対して、とても悲しくなり、あきれています。
 危険な基地がこの大浦湾に来る。環境や生態系が大いに崩れる。そして何よりも、私は人の命を奪う手伝いはしたくないと心に誓っています。もしここに基地が新設されてしまえば、私の子どもや孫の世代まで、私の子どもたちが基地の人殺しに対して、人の命を奪う手伝いをするんじゃないかととても不安です。
 この70年間続いてきた沖縄県民の思いを私たちはどうやって受け継いでいけばいいのか。この苦しみからどうやって立ち直ればいいのか。どうやって解決しようかと、私も日々名護市民の方と、沖縄県民の方と、ゲート前にいらっしゃっている方たちと学んでいます。
 人の命を奪わない。人に命を奪われない。人の命を奪う手伝いをしない。私は絶対にこの気持ちを忘れずに、ぶれずに日々学んでいきたいと思っています。

国際基督教大3年 元山仁士郎さん

 沖縄県の宜野湾出身です。自分は生まれた時からもう基地がすぐ隣にあって、普天間基地の隣でずっと過ごしていたんですけど、その基地が当たり前になっていて、全然おかしいということに気づきませんでした。反対活動とかも見ていていたんですけど、こんなことしてどうなるのかな、実際意味あるのかな、とすごい疑問で、全然そういう場に参加することができませんでした。
 東京に大学進学のために上京して、在京メディアの沖縄の扱いだったり、あるいは日常的に全然まったく聞こえないヘリの音だったり、ジェット機の音というのを東京で過ごして感じて、自分が今まで暮らしていた沖縄の異様さにやっと気がつくことができました。その中で、大学で勉強して、実際にデモにも参加するようになりました。
 こうやって沖縄で、「基地はいらない」「おかしいことにはおかしい」と言っていることの大事さを、今やっと身にしみてわかるようになりました。ずっと学校で二度と戦争はくり返してはいけないと教わってきたはずなのに、それが自分のそばにあった基地と結びつくことが全然なかったんです。でもそれにやっと気づくことができたのは、ここにいるみなさんのおかげだと思っています。
 「沖縄は二度と戦争したくない」「被害者にもなりたくないし、加害者にもなりたくない」という思いと、「憲法守れ」「日本政府なにやっているんだ」「自分たちは自分たちの命と平和を守りたいだけなんだよ」「この海を守りたいだけなんだよ」というこの真っ当な主張が通らないのは、すごくおかしいことだと思います。
 自分は今大学生なので、もっと勉強して、こういう場にも足を運んで、周りの友だちにも仲間にも、知り合いの大人たちにもいっぱい話して、この沖縄の現状をどんどん伝えていって、世界中で「辺野古に基地はいらない」「もう基地はいらない」という声を上げ続けていきたいと思います。
 ここにいるみんな、まだ若いので、もっともっとみなさんから勉強させてもらって、現場に足を運んで、いろんな手段でおかしいことはおかしいと言えると思うので、温かく若者を見守っていただければと思います。
 がんばりましょう。

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