2015年10月6日火曜日

不当処分の撤回を求める「不服申し立て」を転載します。

9月11日
沖縄大学法経学部長
小野 啓子 様

赤嶺 知晃
盛島 琢允

懲戒処分(沖大発第69号)に関する不服申し立て

 8月5日に法経学部教授会で決定された沖縄大学学生自治会の赤嶺委員長・盛島副委員長への「訓告」処分は、沖大学生自治会の大躍進と安保国会決戦の情勢下で燃え上がる沖大生の怒りに追いつめられて下した反戦運動つぶし、学生運動つぶしのための処分です。この徹頭徹尾不当な処分は、撤回あるのみです。
 今回の処分は、完全に破綻しています。沖大当局は、6月25日に処分のための呼び出しを行ったものの、沖大生から続々とあがる処分反対の声(「言論の自由! 退学処分にしたら大学のあり方を疑う!」「戦争反対! 処分反対!」「赤嶺君達がんばれ!」)に追いつめられ、8月5日という前期期間の最末期に処分を下しました。8月7日の処分の告示も、キャンパスに二つある学生用掲示板の内の一つにこっそりと貼り出されるのみで、ほとんどの学生に知らされることはありませんでした。こうした形でしか告示できなかったのは、当局自身が、沖大生の怒り、処分の不当性を自覚しているからではないでしょうか? 

 処分は、「2015年5月18日(月)12:10~13:00に学外者とともに…中庭に集結し、拡声器を使い集会を先導」したこと、つまり、5月18日に県民大会3万5千人の怒りを引き継いで沖大学生自治会が全国学生と共にキャンパス中央で行った「沖大生の力で戦争・基地建設を止めよう5・18沖大キャンパス集会」を対象としています。しかし、沖縄でも全国でも戦争や基地建設に怒りの声が上がっているときに、キャンパス中央で学生が声をあげたことを「静穏な環境の破壊」「秩序を乱した」などという大学とは一体何なのでしょうか? 
 今年は東大の軍事研究解禁が報じられ、文科省では「奨学金を払えない学生は、自衛隊へ」といういわゆる「経済的徴兵制」の議論が行われています。東大生は「自分の研究が軍事転用されるかもしれない」という不安の声を上げ、沖大生は「徴兵制が始まるんじゃないかという恐怖で夜も眠れない」という声を上げています。すべての学生に戦争の問題が直面するなかで、学生のビラまきが禁止され、反戦集会もできない「静穏な環境」「秩序」。この先にこそ、戦争があるのではないでしょうか。
 さらに処分理由では、「これらの行為は…本学学生の本分に反する行為であり、学生としてあり得べからざる行為」と言われています。しかし、学生として大学から戦争反対を上げる沖大学生自治会にこそ正義があります。「静穏な環境の破壊」を理由とする処分は、大学の戦争動員を狙う安倍政権に与するものであり、学生の反戦・反基地の声をつぶす絶対に許せないものです。

 当局は「施設使用許可の下りていない」と施設使用の許可・不許可の問題にすり替えることで、自分たちの政治的・恣意的な意図を隠そうとしています。しかし、専任の教職員の許可と参加がなければ施設使用できない、学生だけの施設使用を認めないという「ルール」自体が不当であり、沖大生の意思を無視するものです。
 しかも、「学則に従っての処分。政治的なものではない」という表向きの言葉とは裏腹に、あなた方は私たちを呼び出して何と言っていますか?
  たとえば、盛島副委員長に対して学生支援課長・国吉は、「こういう運動を続けていると就職ができなくなるぞ」「すぐに辞めるのは大変だから自治会と少しずつ距離をとろうか」「復学する時に影響がでないようにしたほうがいいぞ」などと許すことのできない分断と恫喝の転向強要をくり返しています。こうした言辞は、反戦運動や辺野古新基地建設阻止運動に対して弾圧で襲いかかる公安警察と一体どこが違うのでしょうか?
 8月30日には「安保法案反対」で12万人が国会前に集まり、沖縄を含めた全国で100万人規模の人びとが怒りの声を上げました。9月5日には「辺野古新基地建設阻止」でキャンプシュワブゲート前に3800人が集まりました。処分はこの怒りに完全に敵対するものです。

 以上、今回の処分は沖大生の戦争・基地建設絶対反対の声をつぶすためのものであり、沖縄の怒りと闘いに対する犯罪行為です。私たちは、ここに不当な処分への不服を申し立て、直ちに撤回するよう強く要求します。

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