2015年10月1日木曜日

「中国ショック」から世界大恐慌は本格的爆発へ! 生きるために立ち上がろう!


 昨年夏以降の不動産・住宅バブルの崩壊で「恐慌の中の恐慌」の引き金を引いた中国経済は6月末以降、今度は上海株バブルが崩壊し、「中国ショック」を引き起こしました。中国経済の大減速、上海株式市場の暴落が引き金となって、世界の株バブルが崩壊を始めました。日経平均株価は、1週間で3千円も下落し、乱高下しています。原油、穀物など資源価格も下落し、「恐慌の中の恐慌」が本格化して世界経済全体を覆っています。08年のリーマン・ショック後に各国が行ってきた恐慌対策の全矛盾が一挙に噴出する過程に入りました。

 バブル崩壊の引き金を引いたのは、中国の実体経済の急減速です。中国の設備・建設投資の傾向を示す固定資産投資の伸びは1〜8月期に15年ぶりの低水準でした。この10年間、毎年2〜3割のペースで伸びていたのが、今年は前年比1割増にとどまっています。それどころか8月の輸出額は5・5%のマイナス(前年同月比)と大きく落ち込み、輸入もマイナス13・8%と、10カ月連続で前年を割り込みました。7月の新車販売台数は7・1%マイナスと4カ月連続で前年割れしました。 
 根底には中国版の「過剰資本・過剰生産力」の矛盾の爆発があります。とりわけ中国は、08年のリーマンショック後には4兆元(60兆円)の景気対策を行いました。野放図な資金供給で需要がバブル的につくられました。それによって企業の設備投資が過熱し、鉄鋼・石炭・造船・石油化学・ガラスなどの製造業でとてつもない過剰生産・過剰生産能力が生み出されたのです。他方では不動産バブルの崩壊で地方政府などの債務破綻が進行してきました。こうした虚構の「成長」がリーマン・ショック以降の世界経済を支えてきたという構造が崩壊過程に入ったのです。
 
株バブルの崩壊と大不況はすでに「新興国」に激しく襲いかかっています。通貨の下落とインフレ、大失業、賃下げ、生活破壊。ブラジルでは16日に、不況や汚職に抗議してルセフ大統領の退陣を求める190万人のデモが闘われました。ブラジル経済はこれから1990年以降で最悪の不況に陥るといわれています。中国経済の大減速を始め9月は世界大恐慌がさらに激化します。もはや、労働者民衆は自分で闘って道を開く以外に生きられないのです。

 何より、これからその影響が最も直撃するのが日本です。アベノミクスは今や完全に行きづまり、株暴落と国債暴落、国家財政破綻の破局が刻一刻と迫っています。安倍政権がなりふり構わず安保法案成立、戦争へとのめり込む背景にはこうした末期的危機があります。
 4〜6月期のGDP(国内総生産)は、前期比マイナス0・4%(年率換算でマイナス1・6%)と発表されました。安倍政権発足の12年12月以降、貯蓄ゼロ世帯は26%から30・4%(14年)に増え、非正規労働者数も1775万人から1953万人(全雇用者の37%)に増大しました。その一方で企業がためこんできた内部留保は、272兆8367億円から345兆8886億円へと激増し、とるにたらないひと握りの大企業だけが過去最高利益を謳歌しています。
 安倍は戦争法案について、「国民の命、平和な暮らしを守り抜くためだ」などと大うそを言っていますが、安倍こそ労働者民衆の命を奪い、生活を破壊する張本人ではないですか。今こそ労働者・学生が団結しストライキに立ち、戦争と民営化・非正規職化に突き進む安倍を倒そう!

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